卓上栽培セット”Shippon”を頂きました


先日の研究室クリスマスパーティーにてプレゼント交換があり、私も後輩からクリスマスプレゼントを頂きました。

“Shippon”という栽培セットになります。修士論文のおともに良いものを頂きました。

不敵な笑み

不敵な笑み

卓上で草を育てるキットです。今回の草はクローバーです。新規性特徴は土がコップより上に位置していて水を毛細管現象で吸い上げる形式になっていることで、確かにこれで給水できるなら腐らせる心配もないし、水やりの手間が省けて便利です。目指せ研究室の緑化。

ただ、プラスチックのコップの上段に焼き物の犬でその背中に土という、重心をこれでもかと上げた作りになっています。ひっくり返した時のやばさを考えると材料は逆のほうが良い気もしますが、その辺りはデザインなのでしょう。手元の環境だと転倒時のやばさでは先日の温度計のほうが上回っているので、リスクもさほど増えていません。両面テープでも使っておきます。

デザインといえば、この犬は顔のパーツが世界的に有名なビーグル犬によく似ていますね。あちらも直立二足歩行ですし。


さっそく初期設定をします。説明書によると、土をふやかして、種をまけばいいだけです。

seed

薬味のような扱い

植物というのは不思議なもので、こんなインスタントカップ麺みたいな扱いをしても平気で育ってしまうようです。まあ動物でもクマムシみたいな例がありますし、植物でも場合によるとは思いますが。これが人間だったらSFとホラーの中間くらいのとんでも設定になるところです。


ふたたび説明書によると、「種と種が重ならないようにバラまきし、軽く押さえて土となじませます。」とあります。種と種が重ならないように、という節から正方形の敷き詰め問題やガウスの最密充填が頭に浮かぶのを振り払いながら種をまいていきます。最密充填で種まきなんて聞いたことがありません。

種投入開始早々に種の分量が多いことに気づきますが、まあ気にせず投入。例えば近くのお弁当屋で豚汁を買うと薬味で七味唐辛子がついてくるのですが、全く入れないという人はいるにしても、開封して1割だけ投入する人というのは見たことがありません。入れないなら入れない。入れるなら全部入れる。すっかり脳内で薬味の扱いです。

だいたい、包装にも書いてある「種をまく直前までは開封しない」は、対偶をとれば「開封したら種をまく」です。現に開封してしまったのだから、ルールを守るにはもう種をまくしかしようがありません。

…しかし、半分くらい入れたところでさすがに様子がおかしいことに気づきます。

立方最密充填

めざせ立方最密充填

今度は説明書のルール「種と種が重ならないように」に抵触するレベルになってきました。ルール以前の問題で、これが全部発芽したらもはやかいわれ大根みたいな見た目のクローバーになってしまいます。

この前例のない初めての作業なのにヤバさを察知して行動を制限するという能力は、現代の人工知能にはまだ無い人間的な賢さだと思っています。きっと私はおそらく人工知能よりいくらか賢いということなのでしょう。まともな人間ならもっと早く止めてると思いますが。

さて、残りの半分の種をどうしましょう。研究室にある土壌ということでコーヒーの出がらしを思いつきましたが、いざ発芽してみたらコーヒーの出がらしだったというのはあまりに酷な人生です。むしろかわいそうです。

というわけで残りの半分は廃棄処分に。人生1個分まるまるエントリー落ちです。まあ、今回はご縁がなかったということで。来世のご活躍をお祈り申し上げます

(後で説明書を読んだら最下段に「種は多いです。まきすぎに注意。」と書いてありました。
どうもこの説明書はインタプリタ型ではなくコンパイル型の言語だったようです。)


ところで、クローバーといえば変異体にして幸運を呼ぶと噂の「四つ葉のクローバー」がありますが、あれって種からでも再現できるのでしょうか。調べてみたら四つ葉の頻度は大体1万分の1とのことで、ちょっと種の数のオーダーが2桁ほど足りなさそうです。

うーむ、残った種を実験材料のアクリルアミドにでも浸しておけば四つ葉になったりしませんかね。アクリルアミドは変異原性(発がん性)物質ですし、劣性遺伝子の発現とかあり得そうですけど。専門知識がないのでよくわかりません。

発想がどんどん科学的興味のほうへ。前半で種がかわいそうと書いていたのはなんだったのか。

説明書遵守努力の跡地

説明書遵守努力の結果

さて、発芽したらどうしましょう…。

元気のいい株以外はリストラ間引くしかないですね。生存競争は厳しいのです。


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