「ガリレオ温度計」買ってきました。


先日、東急ハンズ渋谷店で気になっていたものをいくつか買ってきました。

本当は低温度差スターリングエンジンを探しに行ったのですが、そちらは今は置いてありませんでした。

東急ハンズ戦利品

今回の注目は左上の品。「ガリレオ温度計」です。浮きに温度が書いてあり、浮き沈みで温度を計るようになっています。

実験用とかではなく、完全なインテリア用です。

花にそえてみたの図

花にそえてみたの図

原理

この温度計の原理は、温度による液体の密度変化です。温度が上がると熱膨張により液体の密度が下がります。中に浮きが用意されていて、浮きより液体の密度が低ければ沈み、逆に液体より浮きの密度が低ければ浮かんでくるという仕組みです。

浮きはそれぞれ密度が異なっており、それぞれ特定の温度で浮いたり沈んだりします。「24°」とか「26°」とか書いてあるのでだいたいの温度を読み取ることができます。

一般的な温度計と比べて温度計自体の熱容量がものすごく大きいので、周囲の温度変化に対する応答速度は呆れるほど遅いです。さらに目盛りも2℃刻みと、じつに大らかなつくりとなっています。

さらに言うと、最大目盛りが26℃なので日本の夏は浮きが全て沈んでしまいます。下は試しに冷蔵庫でしっかり冷やした直後に撮った写真です。(上の写真はその後のもの。しばらくこのままでした。)

キンキンに冷やしてみたの図

キンキンに冷やしてみたの図

水銀温度計とかも温度の測定にはやはり熱膨張を使っていますね。あれは管を細くして、密度変化でなく体積変化を読み取っています。

 

材料あれこれ

中の液体は水ではなく流動パラフィン(油の一種)が使われているそうです。パラフィンは水より熱膨張率が1ケタ弱大きいので、その分変化が大きくなって精度が出しやすくなります。

赤い水のようなものが入っている温度計をよく見ますが、あれも水でなく同じような材料が使われているようです。まあ水だと氷点下で凍ってしまって危ないですね。

その分割れると厄介で、中身が服や体についたらいろいろと大変になります。

ガラスに液体をどうやって封入したのかが謎で、いろいろ見回してみたのですがよくわかりませんでした。私も昔ガラス細工で「水封入試験官」のようなものを作ろうと挑戦したことがあるのですが、水が多く入っていると加工中に熱応力でガラスが割れてしまうのでなかなかうまくいかなかった記憶があります。

化学系のガラス細工に慣れた人などにはできる芸当なのでしょうか。


実は私はすでに小学生の頃に、「のろま温度計」という名前でこの温度計に出会っています。計測器としては実に不名誉な「のろま」という言葉がつけられたことに惹かれて、当時からずっと気になっていた品でもありました。

動く小物は大好きですが、ずっとくるくる動いていたりすると気になりますし、かといって置物だといじりがいがありません。これくらい穏やかに動いてくれる小物が手元にあるとちょうどいいのかもしれません。


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